札幌国際スキーマラソン大会参戦記

 

報告:M岡

日時:H18年2月12日(日)

場所:札幌ドーム発周回コース50kmスキーマラソン

 

5時40分に起きるとすぐ熱いシャワーを全身にくまなく掛け廻し眠っている身体に喝を入れる。6時半にレストランにゆきバイキング料理でレース用に納豆、飯、みそ汁の定番にて腹ごしらえをする。7時40分にタクシーに迎えに来てもらい15分ほどで札幌ドームに着くと既に多くの人が来ていた。更衣室も概ね塞がっていたが隙間を見つけて着替えをしストレッチもして準備万端8時40分にスタート地点に向かう。荷物はジャンバーで良くくるんで更衣室に置いていく。帰ってきたらちゃんとガードマンが見張っていてくれた。

ゴールコースに入ってから滑っていくとゼッケン番号枠に案内人が居て入れらせられた。もう随分並んで居た、なれた人は場所取りして前に並んでいる。スタート地点で武ちゃんのホームページの知り合いにすぐ見つけられて写真を取って貰う、すぐにその人のホームページに写真をのせてもらう。良くみつけてくれたものだ。ノースフェースの股引を履いて居たので寒くはなかったが風があたる方の頬が冷たかった。湧別の時よりは暖かく感じた。もっともあのときはもっと薄着だった。上半身は会津アルプスに着ていった薄い長袖にオーロンの半袖にレースウェアーとその上にチョッキと言う出で立ちだ。着過ぎるくらい着た。白いチョッキを来ていた人が居たがゼッケンが白いのでなかなかマッチしている。これは頂きのケース。

 

ドンと鳴ってスタートだ。スタート直後はスケーティングは禁止でしばらくはダブルストックで押していく。すぐ目の前でバタバタ転倒する。下手くそめ、ここは際どく避ける。出足好調で登りも順調だ。前後が空いてスケーティングも出来るようになる。コースが次第に狭くなり2列になるが前走者を交わして徐々に前に出る。今日最初の長い下りにさしかかるここも快調に飛ばしてスピードに乗っていく。ところが二人前の人がバランスを崩して勝手に転倒した、一人前の人は十分避けられると思った私はスピードを落とさずそのまま行く。ところがそれをよけ損なったへたくそがあろうことか私の目の前へ転んで来た。あっバカこっちに来んな。一瞬交わそうとしたがこっちもあえなく林の中へ顔面からデデーンとダイビングしてしまった。おれも下手くそだ。強烈に頸を捻って此処ですっかりテンションブチが切れた。調子が良かったのは此処までわずか3kmだったのである。(残り47kmもあるのに、)

起きようとすると後ろから来たのが何か叫んでいた(早くどけとか言っていたようだが)ぶつけられなくて良かった。漸く起きると最初に転んだのも次に転んだ奴も挨拶も無しに居なくなっていた。ボーットした頭でこんなことで完走出来るかなと早くも弱きの虫が起きて来た。あっち向いてもこっち向いても頸がツッパル。だがここで止まっている訳にもいかないので滑り出す。ことにする。しばらくはよろよろズルズルと滑って行くがどんどん抜かれる。それでも全然気にならなくなった。まるで緊張感が無くなってしまっている(頭も打ったのかなぁ)。北海道の人はみんな早いなぁとぼんやり見ている有様だ。(ほとんどが北海道の人だ、、多分?)たまに抜いたりするとまもなく抜き返されて余計落ち込む。

エイドステーションには全部寄って充分に呑んで食べていく。食い物は豊富だ。お粥にジャムサンド、バターサンド、バナナ、ポカリにアミノドリンク。こうなったらエネルギー補給だけが頼みの綱である。それからのコースは登り下り平らな所など全く無い。下りはあっという間に過ぎてしまうので登りばかりが多く感じる。山の中の林道と思われる所を延々とコースが続く白銀の世界だ。時折尾根を渡る強い風に吹かれてブルッっとする、寒さで正気を取り戻しヒタすらスキーを滑らしていく。

徐々に冷え込みがきつくなりワックスが合わなくなって来た。山の上でマイナス10度位の感じだ。スキーがギシギシと雪を噛む。滑らないので疲れが倍増する。左の内転筋がピクピク痙攣してきた。抑えて抑えて静かに滑らして行く。果たしてゴールまで保つてくれるか。頼むぞマイ足ちゃん。こんなんだったらもっとトレーニングをして来るんだった、グスッ。5km刻みの表示を見る次の表示が来るまでの長いこと。31.5kmの白旗山の制限タイム関門まで来た時ウェアーの上にした時計が向こう側に廻っていて時間が見えない。でも何も言われなかったのでそのまま無事通過する。ここのエイドステーションは吹きさらしでとても寒い、ちょっと止まってお粥を食べていただけで冷たくて指が痛くなって来た。ここのボランティアさんはさぞかし寒いだろう。お世話になります(と心の中で感謝)。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 


ここから向かい風の中の登り坂だ身体の大きい北欧系外人さんを風避けにしてぴったり付いて行く。離されないように付いて行くと随分楽である。少しでも離されるとまともに風が当たってどんどん置いて行かれてしまう。ところがその外人さん疲れたのか付いて来られることを嫌がったのか途中で止まってしまった。お付き合いをするわけにも行かず仕方なく風を受けて行く。やっと登り切る頃にはへろへろになってしまった。それからは遙か右下に水の流れている沢を見て延々と滑る。こんな所に落ちたらとても登り返せそうものでうっかりそっちの方に滑って行かないように気を付けなければならない。みんな気を付けていると見えて10人位の集団にまとまって伸びたり固まったりしながら付いて行く。

45kmのエイドステーションに寄ってジャムパンにお粥、スポーツドリンクを摂る。ここでは7,8人幾ら食べても呑んでもすぐお腹が空いてしまう。ここを出るといつの間にか集団はバラケて前にも後ろにもパラパラと人が見えるだけになった。コースも広くなって滑りやすくなったのだが疲れ果てた身体はやっと滑っているだけである。抜いていく人は居るがこちらはどうぞお先にと言った気分である。遠くを見ると札幌ドームの銀色の屋根が見えてきた。やれやれあそこまで行けばいいのかと思った途端に板の滑りが良くなった(我ながら少々現金であった)。ゴールまでの2km程は本日最高の快適滑走であった(二人も抜いた)。{1499番松岡選手ゴール}とアナウンスされて何と気持ちの良いことであろう。終わりよければすべて良し。あぁ良かった。不思議と頸の痛いのは忘れていたがこの後1週間はなにをする気にもならなかった。

記録 50km フリースタイル 4時間38分 318位(647人中)

 

 

 

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