記録:  胎内岩再訪と安達太良噴火口周回ハイク


日時:2004年 8/26夜〜27
メンバー:LA藤、M本、K崎m
行動概要:
8/26  21:30屏風岩ヒュッテ=24:00沼尻登山口/設営
8/27  5:00起床、朝食、テント撤収〜6:20発〜8:00胎内岩上部〜12:20クライミング切り上げ、14:40ハイキング出発ー鉄山ー馬の背ー船明神山14:30ー16:40沼尻登山口=沼尻温泉入浴=19:50屏風岩ヒュッテ


記録(A藤):
 7月末に初訪問して、怖いが大変気分の良いロケーションだった胎内岩を再訪する。別案として前回の沢登りで第一候補だった日光緑沢もあったが、台風の影響などで栃木県内は雨がち〜北の方ほど天気が良さそうなので前夜発で安達太良山ヘ向かう。事務所に集合した木曜夜も雨だった。沼尻登山口に真夜中に到着。空には雲の合間から星が見え、明らかに栃木より天気はよい。虫もいないのでテントの外で夜食と寝酒を飲んで、1時半頃就寝。
 8/27 5時に起きて、スパゲッティーで朝食後、テントを撤収して6:20出発。勝手知ったる谷沿いの道を行く。見下ろす白糸の滝下流右岸の崖にはなんと終了点らしき残置シュリンゲがあるではないか!ここの岩場の開拓者は本当に開拓精神旺盛だったようだ。30分で温泉源頭。沼の平分岐部の流れの脇で休憩後、胎内岩上部まで400m弱1ピッチで登り上がる。曇りがちの晴だが展望は申し分なく爽快だ。
 まず前回最初にロープを下ろしたルートにロープセットし、いろいろ前情報与えずにK崎mさんを降ろし、上部のピッチだけ登って貰う。緊張気味の表情ながらルートを探して危なげなく登ってくる。ついで3人順番に最下部まで降りて登り返す。私は前回に続き二回目なので少し余裕があり、出だしの被った部分の直登を試みたが、あえなくテンション。結局前回と同じ左側から右上するルート取りになる。
 次いでこれまた前回2番目にやった、下部に2段ハングのコーナークラックがあるルート。こちらは全員懸垂下降で降りて、下からロープ確保して登る。私が一番手。前回2回登っているので大体要領はわかる。1つ目のハングは問題なし。二つ目も厳しく見えるが、左のカンテにホールドを探して登ると何とかなる。しかしここからハング上に抜け上がるときカンテにおいた左足への荷重で大きなフットホールドがボロッと取れ、岩にしがみつく。落ちた岩でM本さんK崎mさんがケガしていないかがまず心配で声をかけるが幸い大丈夫だったようだ。体勢が崩れ落ちかけるのを何とか残りの手足でささえて無事のっこす。あとは大きな問題なく上部へ。次いでK崎mさん。上からは見えないが、M本さんの実況中継によると、下のクラックを見事登って2つ目のハングクラックはあきらめ、左カンテへ逃げてのぼったとのこと。その上になると上部からも様子が分かる。登ってくる奮闘の様子を上からカメラに納める。ところどころルート取りやホールド探しに苦労しているがしかし弱音も吐かず、テンションもかけずに見事初見のルートを登ってくる。最後、M本さんもK崎mさんと同じルートで問題なく登る。
 ここまででもう12時。この岩場のルートは一本登ると古賀志の3本分くらい堪能したという感じになる。もう少しクライミングを続けるか、鉄山〜船明神山の周回ハイクにするか相談し、折角雨が降らずにもっているので歩行訓練を兼ね、周回ハイクに行くことにする。K崎mさんに前回のヒノキガタア沢のとき同様、地図とコンパスを渡し、ルートファインディングをやってもらう。丁度霧が掛かって遠望が効かないので練習に最適だ。
 胎内岩にそって緩く登ってゆく途中、支点を探すと上の方にもいくらかあり、これでようやく胎内岩のルートの全容が大体把握できた。その先も一度一寸した登り返しがあるが緩い登りで終始し、飛行機のプロペラをつかった道標をへてまもなく鉄山避難小屋。中はとても綺麗に整理されている。いつも思うことだが東北の避難小屋の管理の良さは驚くばかりだ。使用者のマナーも良いのだろう。
 鉄山山頂への稜線に出ると冷たい雨粒を交えた強風が寒いので雨具の上衣をつける。鉄山山頂は南側が崖になっているので登山道は一寸引き替えして馬の背の稜線にでている。晴れていれば見えるはずの沼の平は霧の中。クロガネ小屋への分岐や安達太良山への分岐など、登山地図ではよくわからない分岐が霧の中に続けざまに現れるが、ちゃんと地図コンパスを見ながら来たことが役に立ち、迷うことなく船明神山への尾根に乗ることが出来た。船明神山山頂までは結構100m以上登り返す感じになる。山頂には船の舳先のような岩と祠がある。胎内岩は霧の中に隠れている。
 ここから下ってゆくと最初の岩場を巻いて下り、その下には一寸した白砂の庭園のような気持ちの良い平坦地があり、池まであるではないか。ハイキングだけで来てもいいところだと思う。ここから更に進むと今度は障子岩の上部を進むことになる。こちらにもルートがつくられているかと思ったが支点などは見あたらなかった。急降下をこなして、温泉源頭への分岐点から下は、チタケを探しながら歩く。しかし既に時期が遅く、虫に食われたり朽ち果てたものが数本あったのみであった。
 結局、胎内岩から見込み通り4時間で周回を終え、駐車場に戻る。この後は前回同様、田部井淳子さん経営のペンションで入浴。今回はお湯が人間の限界を越えた熱さで相当水道水で薄めてようやく入る。そしてこれまた前回同様「活々庵」で豆腐をかって帰路につく。栃木県まで戻ってくるとまたまた雨。自分たちが行ったところは晴れていて行き帰りは雨というのは日本全国が晴れているときの山行より喜びが大きいのはやはり人間が未熟なせいだろう。
 大分様子が分かってきた胎内岩。初心者にはキビシイルートが殆どだが、この次はちゃんと下からリードで登ることを課題にしてゆかなくては。

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