日光・太郎山━ハガタテ薙東尾根から

日時:2004年4月10日(土) 天気:晴れ メンバー:LN脇、M本

行動:太郎山登山口6:10・・・尾根取り付き6:40・・・1817m7:20・・・稜線8:00 ・・・2328mP9:30・・・太郎山10:10〜10:50・・・2328mP11:30・・・1817m13:00・・・太郎山登山口14:00

しばらく高い山に行ってないし、週末の天気はよさそうなので、以前この時期に行ったことのある太郎山に行ってみようと計画する事にした。しかし、以前はハガタテ薙から行ったのだが、今は通行止めになっている。行って行けないことはないのだろうが、通行止めにしているくらいだから落石とか危険度は増しているのだろうと思われ敬遠せざるを得ない。

そこでどう行くか、地図を見つめていた。山王峠から山王帽子山を通っていくコースは、ひとやま超えていくのが何となく億劫だし、新薙コースは登山口までの林道が車で行けるのかどうかわからないし、うーんうーん唸っていると、今回のコースとなる尾根が目に付いた。取り付きのあたりが急なようだが、さほど険しい尾根ではない。ハガダテ薙が駄目ならこの尾根でいいじゃんと早速計画する。ただ、登山道があっても不思議でない尾根に登山道がないのはそういう理由ありの尾根なのだろうかと少し不安になったり、記録がないし、樹林の密度がどれぐらいなのかもわからないので、時間に余裕を持たせて計画してみた。

6時に光徳牧場の駐車場でM本さんと待ち合わせる事にしたが、30分以上早く着いた。M本さんもすでに来ていた。5時過ぎくらいからもう明るくなっていたので、もっと早く出発にすればよかったかもしれないが、そうすると家を出るのがめちゃくちゃ早くなる。辛いところだ。早速、支度をして出発する。ハガダテ薙登山道の入り口まで山王林道を歩いていく。除雪した雪融け水が凍っていてツルツルだ。

 

 

取り付き地点登山口に来たところで、尾根の取り付きに向けてコンパスをあわせて直進する。一面雪の原っぱが広がるが、しっかり締っていて歩きやすい。30分程で尾根の取り付きに着いた。当初は、取り付き地点が地図でみると急なので、もう一つ東側の派生したゆるやかな尾根から取りつく予定だったが、みるかぎりそんな大変そうでもないので、ジグザグに登りはじめた。斜面には全く雪はなく、落ち葉と潅木の間を登りつめていく。斜面が少し緩やかになったあたりから残雪が姿をあらわし始めた。

取り付きから40分程で1817m地点についた。1817m地点緩やかな雪の斜面が広がる。樹林の間隔もまばらで、スキーをしたら気持ちのよさそうなところだ。休憩をしてからさらに登りつづける。樹林もさほど濃くなく、快適な登りだ。赤いテープも頻繁についており、さらに会長ご愛用の赤と白の測量棒まで突き刺してある。すでに会長がこのルートを登っていたのだろうか。

 

会長の忘れ物?

 

8時頃に稜線に出た。予定より2時間も早い。枝をかき分けて登っていくのかと想像していたので多めの時間にしたが、シラビソやコメツガの樹林は時々ザックにさしたストックを引っ掛けて妨害する以外は、雪も締っていて何の問題もなかった。腹ごしらえをしてからさらに樹林の急登を登る。そして、樹林を抜けたところで、2328mの開けたピークにでた。

初めて残雪の太郎山に来たときは、ここまでで引き返したが、ここも、360度の展望がきく素晴らしいところだ。目の前には男体山が聳え、大真名・小真名、女峰山が連なる。西にはまだ白い白根が聳え、錫ヶ岳、皇海山、袈裟丸が連なり、北に目を向けると真っ白な双耳峰の燧ヶ岳、そして雲のように浮かんで見える飯豊連峰。そして少しかすんでいるが、富士山も広い青空の下に聳えている。

ここから太郎山まではあとわずかだ。痩せた尾根を雪庇が厚く覆っているが、しっかり締っているので崩れる心配はない。雪庇の先端から少し谷側をゆっくり歩く。アイゼンの歯が気持ちよく刺さるような締まり具合だ。そして30分程で太郎山頂上に着いた。予定より3時間も早い。思ったより楽に来れたので拍子抜けの感もなきにしもあらずだが、赤テープがたくさんあったとはいえ、自分で作ったルートで登頂でき、雲ひとつない青空に恵まれ、申し分ない残雪登山が出来てよかった。

山頂お花畑

山頂でゆっくりコーヒーを飲んで休憩してから、往路を戻った。戻る頃は気温も20度近くまで上がり、雪も緩んで踏み抜きが多くなった。

取り付きに戻ってから登山口には、林道のような物が走っていたのでそれに乗ればいいだろうと思い、コンパスをあわせないで歩き出したが、そのために道迷いにはまってしまった。光徳牧場の方面に向かっているのは間違いなかったが、現在地が確認できなくなってしまった。こうなると人間は勝手なもので状況を自分の都合の良いように解釈しようとする。これが道迷いで、遭難への道なのだなと思った。結局、軌道修正しながらも偶然登山口が目の前に現れて、無事駐車場へ戻る事が出来た。

太郎さんから小太郎山を望む雪庇の上を歩く




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