18.早春の県南縦走・岩船山〜馬不入山〜晃石山〜大平山


晃石山419.1m
期間:2002.2.10 天候:晴れ メンバーCL鈴木隆 大内泰子 鈴木カツ子
コースタイム:岩船駅8:30−岩船山(172.7m)8:50-9:10−車道9:40−馬不入山(345.2m)10:25-10:35−桜峠11:15−晃石山(419.1m)11:45-12:15−ぐみの木峠13:15-13:20−大平山13:40-14:00−大平下駅15:00 地図:下野藤岡・栃木


山行記録:小山より足利へ向けて国道50号線を走ると岩船町の手前で、北方に赤松も美しい山並みが連なって来る。岩舟山から馬不入山、晃石山、そして大平山へ続く山々で、その主峰は一等三角点を持った晃石山である。今日は妻とその友人の大内さんを案内して、早春の県南縦走、岩船山から馬不入山、晃石山、そして大平山を歩こうと宇都宮を出発し、下山口近くのJR大平下駅の駐車場へ車を乗り入れた。
運良く、10分後に足利方面への電車が来るとの事だった。急いで登山靴に履き替え、切符を買ってプラットフォームに立った。電車の時刻も調べずにやって来たのに、こんなにもスムースに移動が出来るなんてラッキーだった。
岩船駅で下車し、岩船山へ向かおうとして、駅前の道を右へ行くべきか、左に行くできか迷った。とりあえず右へ向かったが、これは誤りだった。後ろから来たハイカーが駅に置かれた、案内書を手にこちらですよと、教えてくれた。
石段を登って行く。いきなりであるから結構きつい。ここへは3度目だったが、いつ来てもこの岩船山の姿は痛々しいばかりである。山砂や砕石を採掘されて、山の姿はどんどんと姿を変えていく。残った山肌も砂埃でくすんでいた。
石段を登り切り、高勝寺のお参えりは後回しにして、山頂の展望台に向かった。この展望台は冬に訪れた方が理想的かもしえない。今日はあいにく霞がかって、富士の白雪はおろか、関東平野の展望も今一つだった。
展望台を下り、高勝寺へ参拝する。立派な三重の塔を配した古寺であり、信仰の厚さを物語っていた。寺を出て、しばらくは車道を下った。以前は稜線を辿って、馬不入山へと歩けたのだろうが、今は寺の敷地を離れると、そこは採掘場となっていて、断崖となって稜線は分断されてしまった。
やがて池の縁のハイキングコースとなってほっとする。さらにコースは大平町ぶどう団地のグレープロードを横切り、指導標に従い、馬不入山への階段を登って行く。
2月初めであったが、ここは宇都宮よりも暖かく、たちまち汗が噴出して来た。時々立ち止まって、女性達を待ちながらゆっくりと登って行った。
この冬でも手軽にハイキングを楽しめる、この県南縦走路、栃木はもとより東京からの人達も多い。息を乱した頃登り着いた馬不入山には5人組が休んでいた。未だ11時前だったから、喉を潤し、記念写真を撮っただけで、本日のメインテーマ、晃石山へ向かった。目指す晃石山頂は黒々とした樹木に覆われて望めたが、道は一旦、桜峠へ下って、登り返す約1時間の行程であった。
実に快適な道だった。時々会うハイカーとの挨拶も弾んだ声である。
桜峠には山桜の大木があり、ここからボタン寺で有名な大平町、清水寺を右に、岩舟町の村檜神社への道を左に分岐する関東ふれあいの道と交差していた。ここはその昔、東山道であったとの事。という事は、東山道は南の三毳山を横切り、この桜峠へ登って、北へ進んで行ったということなのかと、一人合点顔の私だった。
いよいよ晃石山への登りである。例年7月20日頃から8月末にかけて、北アルプスや南アルプスへ多く出かける私達にとって、今日は事始めみたいなものであり、足慣らし的登山には、格好の縦走コースだった。
後を歩く女性二人も、今年はどの山へ登ろうかと、相談しながらのハイキングとなっていた。やはり登山も、ジョギングみたいにおしゃべりを交わしながら、道を辿って行くのが最も楽しい山行の様に思える今日この頃となってしまった。やはり笑い声が出るメンバー、一人より二人、二人より三人の方が登山には気持ちいい。
やがて頭上から笑い声が届いて来た。11時45分、晃石山頂に到着した。
中央には石の祠が奉られ、その北側に立派な一等三角点標石が置かれていた。ここでは10人程が食事中だった。
私達は先ず記念写真を一枚撮ってから、少し山頂の肩により、おにぎりを食べた。女性二人が一緒となると、いつもの昼食と違って、次々とおかずが現れ、そしてデザートの果物も豊富で楽しいものだった。
いつだったか、東京から来たハイカーが、ここは昔の一等三角点で今は違うと話していたので、地元の一人として、これは間違いなく今も一等三角点ですと言うと、リーダーと思えるその人はとうとうこれを聞き入れてくれなかった。低い山には一等三角点があるはずが無いと思い込んでいる人もいるらしい。
充分な昼食と食休みもとって、最後の山、大平山へ向かった。山頂の直ぐ下にある晃石神社に参拝し、ぐみの木峠へ一気に下った。
初めてこの晃石山へ登った大中寺への道を右に見る。この寺はアジサイや雨月物語で有名だ。やがて道が平坦になり、電波塔が立っている。まるでここは車道となっていた。こんな道はどうも苦手である。南に大きくカーブする道を逸れ、大平山頂への直登する痩せた尾根に取り付いた。
息が乱れる頃、浅間神社の奉られた大平山頂に到達した。大平山神社は山頂の少し下に位置していた。ここは古い山城の面影を留めた山だったが、山名板も木に掛けられていた。これで今日の山登りは終了。のんびりと一休みするだけだ。
大平山神社に参拝の後、その下の謙信平の茶屋で腰を降ろしての休憩を取った。戦国時代、越後の上杉謙信が関東へ軍を進めた時、この地に立ったので謙信平というとか。
後はどんどんと下って、大平下駅まで歩き続けた。標高は低くとも、今回の県南縦走は、心地良い疲労感と、充分過ぎる満足感を持てた山行だった。

inserted by FC2 system