59.松飾も終わって、岳の山から大鳥屋山岳ノ山704m


期間:2003.1・13 天候:晴れ 単独行 大鳥屋山693.1m  地図:仙波
コースタイム:駐車場10:15−滝見ノ松10:45−10:55−岳ノ山12:50−13:05−
       624mピーク13:25−下山分岐点13:35−大鳥屋山13:55−14:05
−駐車場14:35


山行記録:朝、ビーグル犬のノエルの散歩を済ませ、お正月の松飾や備え餅を片付け、朝食後自宅を8時に出発した。
三連休も今日で終わりである。この三日間は県南の仙波の山々を歩き続け、一昨日は金原山、不動岳に唐沢山。昨日はアド山、そして今日は愛宕山に先ず登り、メィンテーマの岳ノ山から大鳥屋山への縦走、最後に時間があれば下野大柿の谷倉山を登る予定である。
最初の山、愛宕山を目指し、堀の内から大戸へ抜ける林道を峠へと走らせた。この愛宕山は岳ノ山の西に位置している。峠より見ると岳ノ山は白く残雪を留めていた。
一台の車が路肩に駐車していた。ひょっとすると猟師が山へ入っているかもしれない。今年の1月4日、茨城県境の焼森山から鶏足山縦走をした時、山を降りると鉄砲を構えた男達が10人も谷筋に分散して待っていた。何とも物騒なことで驚かされたのを思い出した。
尾根には踏み跡が続き、赤布もある杉林の中を登り進むと、太い松の木の先にピークが見えた。約20分の登りだった。中央には自然石に線で刻み描かれた愛宕権現が奉られていた。享保の文字が読み取れる、由緒あるものであった。その背後に古い木組みの下に、三角点標石が草より顔を出していた。山名板はないものの、ここが愛宕山の山頂であった。しばし日光の山々を眺めた後下山した。
今日のメィンの岳ノ山から大鳥屋山へ向かった。この山々は各々単独で過去一度ずつ登っていたが、今回は縦走してみようと計画した。
登山口の五丈ノ滝駐車場入り口はアイスバーンになっていて、先行車がスリップし苦労していたが、どうにか除けてくれたので駐車場に車を入れることが出来、10時15分出発した。
林道にはわずかに残雪が残っていたが、15分も歩いたら、終点になった。五丈ノ滝を見下ろす滝見ノ松は、悲しいかな枯れてしまって、棒のような姿になっていた。見下ろすと、五丈ノ滝は水量わずかで、細い白糸をたらした如く、静かに滑り落ちていた。ここでパンを取り出し、休憩した。
昼なお暗い杉林の中、沢に沿って登り進む。以前来た時よりも道は良く踏まれ、赤テープ等案内も多く明瞭になっていた。それだけ多くの人達がここを訪れているという事だろう。
杉林には太陽の光も届かないが、快晴の今日は気温も上がって、たちまち汗がポタポタと流れ落ちた。
沢の水も涸れると、道はつずら折りになって、一気に高度を上げる。稜線が近づくと、道は右折。山頂直下をトラバースし、北側の尾根に出て左折する。西には先ほど登った愛宕山を見下ろせた。少し登ると石の祠が奉られていた。その昔は信仰厚く、地元の人達に大切にされていた山、それが岳ノ山なのであろう。その祠には大きな五段のソロバンが納められていた。さらにその少し上が山頂であった。中年の男性一人が休んでいて、挨拶を交わした。駐車場に停まっていた土浦ナンバーの人だった。
私も隣りに腰を下ろしおにぎりとお茶の昼食とした。
記念の一枚を撮った後、一等三角点のある大鳥屋山を目指し、岩の多い急斜面を下った。この辺は春にはヤシオツツジが岩を彩り、素晴らしいのであろうが、今は葉もなく、寂しい稜線である。意外に近く、旗川沿いの集落を見下ろせた。
今日は軽登山靴を履いて来たので、松の落ち葉は特に滑り易く、注意しつつ下った。前方には、黒く大きな大鳥屋山が姿を現し、1時間ならば辿り着けそうな距離に思えた。
10分程下って、さらに登り返すと、624mピークの先で、ここより道はほぼ直角に左折して下って行く。踏み跡は明瞭であり、木々には目障りな程に赤や黄のテープが、多く巻かれていて迷うことは無い。
帰路の五丈ノ滝駐車場への下山道はどこなのかと、注意しつつ下ること20分、下山口に到着した。ここにも案内板が木に掛けられ、よく踏み込まれた道が杉林の中を下っていた。
登りは北斜面で、凍てついた残雪があって滑り易く、特に下山時が要注意である。一歩一歩を確実に蹴り込んで登り進んだ。
急登が過ぎると、道は平坦になり山頂の肩に辿り着いた。さらに歩き進むと、御嶽山の石碑等が立ち、その先の雪の中に一等三角点標石があった。時に13時55分だった。
この頂きに立ったのは10年ぶりであった。その時は訪れる人もわずかで、三角点は藪の中であったのが、今は周囲を踏み固められ、藪の中は遠い過去となっていた。
大鳥屋山は以前より御嶽山信仰が厚く、地元の人達に大切にされていたのが、昭和二十二年建立、御嶽神社百年際の石碑で偲ばれた。しかし現在は南側を大きくなった杉林に閉ざされて暗い頂きとなってしまって、その雰囲気はなくなっていた。
私は祖父や父母の大切にしていたこの大鳥屋山頂に敬意を表し、それらの石碑や石祠に拝礼を済ませた。
誰も登って来ない今日、私は一人記念のシャッターを押し、頂きを後にした。
一気に歩き続け、駐車場到着は未だ15時前だった。
以前大倉山に登った時、その西に広く大きな山頂に、電波塔を持った谷倉山を望んだ。依頼この山が気になっていた。この際帰路に登ってしまおうと、栃木市星野より、沢を詰めて登る。
山頂には大きな電波塔が立って、反対側よりは工事に使ったであろう車道が登って来ていた。今藪漕ぎで苦労して登っては来たのは何だったのか?悲しい思いを抱いてしまう。三角点はその南に雪の中にわずかに顔を出していた。無事車に戻った時、山の中とはいえ、辺りは暗くなっていた。

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