54.木々に雪の白い花・・白倉山(日留賀岳)1460m


期間:2002・12・7   天候:曇り一時小雪  単独行  地図:日留賀岳.塩原
山名:白倉山(日留賀岳)・・尾頭トンネルよりのピストン
山行目的:栃木の山巡り・・ピークハント
コースタイム:尾頭トンネル塩原側入り口P9:15−21号鉄塔9:45−稜線10:15−
       白倉山頂11:45-12:00―稜線13:00−21号鉄塔13;15-13:20−
       尾頭トンネルP 13:45


山行記録:今年の11月17日、若見山に登った。その時谷の西に、尾頭峠より長く連なる稜線が、北端にピークを高く上げた白倉山を望んだ。雪が積もって、名前の様に白い山肌は実に美しかった。その時出来る事ならば、年内にもあのピークに立ちたいと強く思った。
12月7日は天候も安定する予報であった。この機会に思い切って登ろうと、家を7時30分に出発。もっと早く出発したかったが、我が家の子猫2匹とビーグル犬が食事をねだって、ついつい遅くなってしまった。
登山口は、尾頭峠に建つ送電線鉄塔への巡視路を、辿ろうと考えていたので、先ずは尾頭トンネル塩原側入り口パーキングに駐車した。良く見ると、予想通りここより巡視路がスタートしていた。スパイク長靴を履き、ザックにはヘッドランプを入れて出発した。
ゆっくりと、つずら折りの道を、ガサガサと落ち葉を踏んで登って行った。
21号鉄塔は30分で到着した。送電線を東に辿ると、先日登った若見山の肩に至り、さらにその先には、比津羅山から弥太郎山へと続いていた。比津羅山の北には、日留賀岳が白く輝き、その南に今年の登山を断念した長者岳も白く雪を纏い、さらに奥に見えるのは大佐飛山であろう。
巡視路は、さらに稜線に建つ鉄塔へと続いていたが、私は途中より巡視路をそれて、尾根を一気に詰めて行こうと進路を変更した。全ての葉を落としたミズナラ、ブナ等の下に、ツツジ等の小木の疎らな藪は苦にはならず、労せずして稜線に立つ事が出来た。ここまで約1時間だ。
稜線には、先人達が残してくれた赤テープ等が木に巻かれ、北へ北へと、白倉山を案内していた。雪は殆どなく、若見山から見た時に予想したのとは大きく様変わりしていた。その分、藪は強烈に待ちかまえているだろうと思えた。
期待通りと言うべきか、藪は私の背丈を越えていた。しかし、この白倉山を訪れる人も多いらしく、これを掻き分けて行く踏み跡が、薄く続いていた。天気予報では、山沿いは12時頃より所によって、雪または雨となっていた。頭上の雪雲が徐々に下へと降りてきた。未だ視界を塞ぐ程の事はなさそうだ。
赤テープを確認しつつ、稜線を踏み外さないように注意し、順調に歩き進んだ。しばらくは緩やかにアップダウンを繰り返し、やがて平坦な稜線に変化した。すると、藪もさらに背を伸ばしてきた。所々残雪がこれを押さえつけ、私はこれ幸いと、残雪を拾ってさらに進んだ。この頃より雪が吹きつけ、笹の葉も白くなった。この中を漕ぎ進むので、私のズボンやシヤッツには雪が付きこれを払っても、たちまちにして濡れてしまった。雪は長くは続くことなく降りやんだ。薄い踏み跡と赤テープは稜線のやや西側を辿っていた。梢越には遠くにあった白い日留賀岳がさらに近くなってきた。
突然周囲が明るくなった。それはここの西斜面一帯だけ、先ほど降った雪が白い珊瑚の様に木の枝に付着しているのだった。まるで雪の美しい妖精達が私を歓迎してくれた様であった。白倉山の頂は樹林の先に見える、葉を落とした広葉樹の密生した丸い頂らしい。
少し高くなった笹の丘を掻き分けて進むと、雪の量も多くなって歩き易くなった。ここよりは日留賀岳が間近に見え、白く険しいその姿は実に美しい。さらにその先の高い地点が白倉山頂であった。雪の中から三角点標石が僅かに顔を出していた。周囲を見回したが、木には山名板はなかった。時に11時45分、登山開始より2時間半、稜線歩きは1時間半で予定通りの歩行タイムであった。今は雪が笹竹を倒しているが夏には相当な藪の頂になって標石を探すのも困難にしてしまう気がした。北北西だけが開けて、会津七ヶ岳を確認出来た。真っ白く連なって見えるのは、只見の御神楽岳であろうか?ここからの日留賀岳はカメラを構える程には明瞭な位置でなくなっていた。
パンを一個だけ食べて、記念のシャッターを押した後、15分程で山頂を降りた。
帰路は同じ道を辿るだけである.鼻歌も出て、快調に歩き続けて、13時45分登山口に戻った。気持ちは早や、新雪訓練で明日登る、日光白根山への期待が大きく膨らんだ。

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