42.五十里湖の北に聳える塩沢山    1263.9m


期間:2002.9.1 天候:晴れ  単独行  地図:五十里湖
コースタイム:国道121号路肩P6:25―アテラ沢林道広場6:45−991m稜線8:40−
       1100mピーク9:20−9:40―塩沢山11:45−11:45−
       1100mピーク12:10−991m稜線12:40−アテラ沢林道13:10−13:15
       −国道路肩P13:40


山行記録:昨日は黒岩山に登り、帰宅するのも可能だったが、以前計画しながら、残雪期を逃して藪漕ぎに気後れをし、未だ登っていない五十里湖の塩沢山を、この際登る事にして、会津田島道の駅で車中泊をした。
この塩沢山は五十里湖の北に聳え、湯西川温泉駅手前より見ると、湖の北に三角錐の山姿を見せて美しく、早く登りたいと見る度に意識した。
朝食をおにぎりとお茶で済ませて、国道を南下し、アテラ沢林道入り口近くの広い路肩に駐車し、山支度を整えた。
国道より入って直ぐ通行止めのチェーンが張られていた。アテラ沢には豊富な清流が流れ私はアスファルトの道をてくてくと歩き続けた。右手奥に目指す塩沢山が見えるはずであるが、今一つそれを確定する自信が持てなかった。20分程歩くと、林道は台風時に流れ出したと思える、大量の木や土石で塞がれていた。
ここよりアテラ沢の左岸へと飛び石を渡って、桧の植林帯を登り出した。最初の1時間は野イチゴ等のトゲが多くて、悪戦苦闘の連続だった。汗がたちまちに吹き出して来た。
とにかくこれに耐えて登り進む。時々弱気の虫が頭を持ち上げ、残雪期まで待ったのがいいのじゃないかとの思い。さらに登ると、植林時の作業道らしき薄い踏み跡がつずら折りに上へ上へと伸びていた。私はこれを利用して高度を稼いでいった。高度を増すごとに展望は広がり、特に西にはこの春登った白倉山がその全容を現して来たのは感激だった。
やがて尾根に到達した。案ずるよりは何とやらで、尾根には微かな踏み跡が続き、時々赤布等も木に括られていた。やがて右よりの尾根を合わせると、尾根はさらに細くなり、そしてその勾配を強めてきた。足元には緑葉のイワウチワが群生し、早春の清楚な花が想像できる。ここまで約2時間が経っていた。
やがて大きな尾根が合わさると、991mピークに達し、進路も左へと向きを変えた。少し進むと、右手に五十里湖が見渡せる。カメラを取り出しシャッターを押した。
背丈を越す藪が前方を塞いでいた。いよいよ塩沢山の本格的な藪との戦い開始であった。とにかく笹を掻き分け、これをわし掴みにして自分の体を持ち上げ、ただ登り進むだけであった。20分もこれに耐えると南北に長いピークに到着することが出来た。
私はここが頂上であると思って、その南北に長いピークを行き来したが、三角点標石を見つけることが出来なく、再度地図と高度計で確認した。ここはどうやら 1100mピークで塩沢山頂の一つ手前のピークであった。そういえば私が読んだ先人が山頂と思って下山したのは多分このピークではないだろうか?
東北東の樹林越しにここより高いピークが見えた。それは一旦下った後、登って行く尾根が続いていた。あれが塩沢山であろう。
休憩の後、この尾根を辿った。尾根の右側はブナの根元に薄い藪があり、左手は密の藪、中央部が刈り払われ、一直線に山頂へと伸びていた。これは境界測量が最近行われたらしい。ここからは藪漕ぎから開放されて、心地良く快調に登り進んだ。相当の藪漕ぎを覚悟していただけに、測量の為とは言え大助かりであった。
11時15分、一株の大きなススキの穂が伸びたピークに到着した。三角点標石は見つからず、山の境界を示す石のみを見つけただけ。私はもっと先に三角点があるのだろうとほぼ平坦なピークをさらに北へと捜してみた。最北端に到達しても見つけることが出来なかった。やむなくススキの所へと戻ってさらに捜すと、三角点標石は草に隠れていた。
もっと良くみればよかったと思いつつ、さらに周囲を見廻すと、古い小さな木で作られた山名板が下がっていた。間違いなくここが1263.9mの塩沢山頂であった。
草に腰を下ろし、パンとおにぎりの昼食をとった。相当な藪漕ぎを覚悟していたこの塩沢山に5時間をかけてとうとう立つことが出来た。この満足感と充実感、たまらなく嬉しい。
30分後山頂を後にした。1100mピークにて一息入れた後、藪へと突入して行った。下山の注意は特に、方向の確認だった。さしたるくるいもなく藪を下り、さらに尾根を辿って13時10分、アテラ沢林道の広場に無事降りることが出来た。
少し歩くと、車を乗り入れて、林道の真中でバーベキューを楽しむグループがいた。チェーンの掛けられた林道だったのに、何で彼等だけがここに入れるのか割り切れない思いだ。
さらに歩き続けて13時40分、国道の路肩に停めた愛車に戻った。

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