62.熊も歩いた稜線を辿って大萱山     1154.2m


期間:2003.2.15天候:晴れ単独行 地図:沢入.足尾 石倉山1109.1m
コースタイム:林道路肩9:25−1018mピーク10:10-10:15−
1070m稜線10:45−大萱山11:15-11:25―
1110m石倉山分岐12:00−石倉山13:10-13:45−
1110m稜線分岐14:15−1070m分岐14:30−
1018mピーク14:45−林道路肩15:50


山行記録:足尾町の東、群馬との県境にあって、町から見上ると空高く聳える大萱山。ここが電波の中継地となっているのも当然の事だろう。
1月末、大萱登山を計画したが、降雪の為、車が登山口予定のはるか手前までしか乗り入れ出来ず、時間的な余裕がなくて断念し、足利北部の深高山、石尊山登山に変更してしまった。あれから20日も過ぎ、その間大雪は降っていないので、大萱登山計画を実行する。
林道には雪はなく、南斜面の登山道も消えているだろうと思えた。
沢入駅前より黒坂石へ入り、最後の民家手前を左折して進む。登山道の案内板らしき文字の見えない板と赤テープが巻かれていた。ここが地図に破線で記入されている尾根コースの登山道であろう。雪の少ない道ならばスパイク長靴でも大丈夫だろう。念の為、ワカンをザックに括って出発した。
水量のわずかな小沢に沿って踏み跡が続いていた。少し歩くと右へトラバースして踏み跡があったが、これを無視して沢沿いを登り進んだが、やがて踏み跡は消えてしまった。どうやらさっきのトラバース道が正規の登山道らしい。
今更戻る気にもなれない。ならば右の尾根へ登り進めばいいだろうと、杉林の斜面を尾根を目指して登って行った。結構、勾配はきついものの、徐々に高度を上げて、尾根に到達出来た。尾根には上へと続く踏み跡が明瞭に確認出来た。これが正規の登山道だった。
私はこれを辿り登って行った。やがて西は雑木林、東は杉から桧の林に変化して来た。
登山口を歩き出して45分後、1018mピークに到着し、休憩。パンを一口食べた。
西より黄色のテープ、登山道らしき踏み跡が上がって来た。北の尾根と東の尾根はいずれも雪が覆った疎らな藪となっていた。
北に伐採されて明るい斜面が広がり、その奥に大萱山へ続く栃木と群馬との県境の稜線が続いていた。ここで右折し、尾根を辿り、さらに伐採地に沿って県境稜線を目指した。伐採地には既に杉や桧が植林されていたが、良く見ると多くが既に鹿達に食べられ、ただの棒の様になっていた。さらに稜線近くでは枯れて悲しい姿になっていた。
稜線に到達すると、東に地蔵岳、氷室山から根本山への山々が見渡せる展望台となっていた。
西へと向きを変え、進んで行く。ここには赤テープ等があり、夏山シーズンには結構登山者も多いらしい。大萱山までには幾つかのピークがあり、どれが大萱山頂であろうか、多分一番高いピークであろうが、やはり手前の方がつい高く見えてしまう。残雪は20cm程、締っていたから、ワカンの必要はない。残雪には鹿の足跡に混じって、大きな足跡、そして黒く大きな糞も見える。どうやら熊のものである。松の木には爪跡も残っていた。
やがて南北に一つずつピークが見えた。先ずは手前の南のピークを念の為登ってみた。
すると西に電柱の立つピークが見えた。どうやら電波塔らしく、これが大萱山であろう。
元の稜線に戻り、さらに西へ向かい、二つ目のピーク、これが大萱山頂だった。
電波塔というよりも電柱が立っている地点、ここは展望が良く足尾の町やダムが見渡せ、その先の丘、これが山頂だった。
時に11時15分、山名板が木に取り付けられた、大萱山頂に到着出来た。雪が三角点標石を隠してしまったが、ヘリコプターの羽根の様な測量に使用された白い3枚の板が木に取り付いていた。狭い山頂を雑木林が囲み、展望はなかった。
パンを一個食べて、約10分で次の石倉山へと山頂を降りた。同じ稜線を戻るだけなので1070mピークまでは順調だった。
さらに東へと県境の稜線を辿る。残雪の稜線には登山者のものと思えるワカンのトレースが微かに着いていた。石倉山への分岐は2番目の大きな尾根を辿るはず、東に笹原を見せるピークを辿ったその先に石倉山がある、と地図を眺めて思った。
大萱山頂より1110mピークまで約1時間、その先のピークを北へ下る細い尾根が伸びていて、ここには赤テープが木に巻かれ、踏み跡が続いていた。ここが石倉山への分岐点だった。車へ戻る時間を16時と考え、先へと急いだ。ここからは三つ目のピークが石倉山のはずだ。笹原へ到着すると、ここは素晴らしい展望で、大萱山より辿って来た県境が見渡せ、その先には袈裟丸山の厳しい雪姿と、さらに皇海山が大きく、手前には足尾の町が見下ろせた。
次のピークへと尾根を辿って行く。いままで以上に明瞭となってトレースが残され、石倉山へと赤テープと共に私を導いてくれた。
いよいよ目前に石倉山頂が迫って来た。三角点は南端に位置している事を地図で確認していたので、先に南のピークへ登ってみた。予想通り、小さな三角点標石が石に囲まれ、木には山名板が括られていた。時に13時10分だった。さらにその先へ行ってみると、大岩より大萱山方面がわずかに見えるが、カメラを向ける程でもない。山頂に戻り、おにぎりをパクついた。
少し戻って登り返したピーク、ここが地図に記載されている石倉山頂である。中央の木に山名板が打ち付けられて、山頂は南北に細長いものだった。
休憩の後、13時45分山頂を下った。車へは2時間あれば楽に帰れるだろうと思えた。同じ道を戻るのだから簡単だと思っていた。順調に1018mピークへ14時45分到着し、ここからの尾根にある下山道を忠実に辿って南へ下った。
登って来た尾根をメィンの尾根と思っていたのが失敗だった。どんどんと尾根を下るうちい、どうも時間が掛かり過ぎると思った。登り45分で尾根に登り着いたのに、既にその時間は過ぎていた。どうやら分岐点を見落とした様だ。
そうこうする内、送電線の鉄塔下へ飛び出した。ここへは巡視路が登って来ていた。少し黒板よりに南に来ていたが、この巡視路を辿って林道へ降りた。そして林道を北へと進み、15時50分、車に戻リ無事山行を終了した。

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