39.小田代ヶ原・戦場ヶ原を見渡す・大岳   1843.4m


期間:2002・7・14    天候:晴れ  単独行  地図:男体山.中禅寺湖
コースタイム:竜頭ノ滝駐車場8:00−アザミ橋9:10−無名橋9:40−シャクナゲピーク10:10―大岳10:50-11:10−シャクナゲピーク11:30−無名橋11:50−西ノ湖12:10-12:20―アザミ橋12:40−竜頭ノ滝駐車場14:00


山行記録:梅雨明け間近かな7月の日曜日、小田代ヶ原の奥にひっそりと、湖上山の南肩
にわずかに頂きを覗かせている大岳へ向かった。
先週は塩原の弥太郎山と新湯富士に登り、昨日は尾瀬ヶ原で原一面に咲き競うニッコウキ
スゲの風景に接することが出来て大感激であった。
今日の大岳は昨年の秋、宿堂坊山より三俣山、シゲト山、黒檜岳への縦走をした時、大岳の麓を巡る柳沢林道を辿って、その取り付き点となる尾根を確認していた。
竜頭ノ滝の中段の駐車場より、早々に湯川に沿って歩き出した。石楠花橋より、小田代ヶ原へ進んだ。この小田代ヶ原は台風の大雨により、湖の如く水を満々と湛えていた。その奥に貴婦人の呼び名のある白樺が立っている。緑の風景の奥に湖上山が聳え、その左肩に大岳の頂きを僅かに望めた。正に絵ハガキの風景であった。
夕張峠、さらにアザミ橋へと、単調なアスファルトの道を歩き続けた。時々サイクリングの若者や電気バスが私の脇を走り抜けた。約1時間後、西ノ湖への分岐点であるアザミ橋を渡り、さらに砂利道の柳沢林道へ入って行った。
林道を30分程進むと、右の大きな岩に赤岩の文字。ここに大岳よりの尾根が張り出していて、これが取り付き地点となっていた。
尾根に取り付いた。尾根に登ってみればそこには獣道か、人の踏み跡かが上へ上へと続いているではないか。さしたる藪もなく、私はこの薄い踏み跡を辿って尾根を登り進んだ。鹿の踏み跡が右に左にと2本も3本もつけられていた。さらには赤布も時々木に取り付いて、登山者もここを登っていることが示されていた。
林道より30分登った、9時10分に1605mの最初のピークへ到着した。ここには足を踏み入れるのもままならない程、石楠花が密生している。本で読んだ石楠花ピークであろう。獣達はこのピークを巻いて鞍部へと続いていた。
狭い尾根へと少し下った後、急斜面に変わる。尾根もいつしか広くなり、勾配を強めて、山頂へと続いて行く。振り返り、帰路の1605mピークを目に焼き付けた。足元にはキノコのような花が咲いていた。尾瀬で見かけた花であったが名前を忘れてしまった、こんな時教えを乞う人がいないのが、単独行のつらいところでもあった。(後日、その花の名前をショウキランと確認した。)大きな岩々が現れてきた。これは右へと廻り、木を掴み、木の根に助けられつつ登り進んだ。
1605mピークより約40分後、山頂の肩に到達した。少し進むと東側が開けて、眼下に小田代ヶ原と戦場ヶ原が見下ろせ、その先に男体山が聳えていた。南北に細長い山頂部を北へ進んだが、山名板もなく、三角点標石も見つからなかった。さらに歩き進んだら、稜線が高度を下げてしまう。ここが大岳の山頂であるのは地図でも確認出来たが、どうも納得がいかなかった。
向きを変え南へと戻りつつ、三角点標石を捜した。地面近くで平行に幹が曲がっているダケカンバがあり、その根元の北側に三角点標石があった。
北に進む時、このダケカンバを跨いで進んだのに三角点標石には気が付かなかったらしい。
早速ザックよりカメラを取り出し、記念のシャッターを押した。登山口より1時間10分、未だ11時前だった。今日は登って来る人は一人もいないらしく、風が木々の葉を揺らすだけの静かな山頂だった。
午後は県北では雷雨も予報されていたので、10分程で山頂を下った。
下山は岩の尾根を東にはずした後、真っ直ぐ南へと広い尾根を下った。30分で1605mピークに到着する。後は楽な尾根下り、無事林道に降りることが出来た。柳沢ではバーベキューを楽しむ家族ずれがいて、突然の私の出現に驚いていた。
時間も早いので帰路に静寂の湖、西ノ湖へ立ち寄る。ここは15年振りだった。今日は水量も多く、ハイカー10人程が食事中であった。山奥の静かな佇まいは何時来ても変わらない西ノ湖、素晴らしいムードを醸し出していた。私は一人おにぎりを食べた。
登山の最後は単調なアスファルトの林道歩き、強い夏の日を浴びて歩くのは、藪山歩きよりも辛いものだった。

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