96.山頂は静寂そのものだった・鳴虫山   1103.5m
期間:2003.8.31  単独行  天候:曇り  地図:日光南部・日光北部
コースタイム:登山口8:30−神ノ主山9:10-9:15−鳴虫山11:10-11:15−合峰10:40−
独標11:05−独標11:05―含満ヶ淵11:40−登山口12:15
山行記録:日光駅より近く、ハイカーが気軽に登れる山、鳴虫山。大谷川を挟んで、女峰山や赤薙山に向き合うだけに、正に日光連山の展望台といった山頂であり、晴れた冬の日の朝は特に最高の眺めである。又、春にはヤシオツツジ咲いて、山肌がピンクに染まって美しい。一度は訪れたくなる山である。
私は過去2回、この鳴虫山へ登っていた。しかし、写真は残っていても、コースタイム等の記録はとっていなかった。
8月最後の日曜日、雨が残っているとの天気予報であったが、この際鳴虫山を登ろうと、自宅を早めに出た。夜は町内の行事もあったので早く帰宅出来る山でもあったから、この鳴虫山を目指した理由であった。
この山を最初に登ったのはもう25年も前だった。既に社会人になって久しい子供達が未だ小学生の時だった。その頃の私は山登りにはほとんど縁がなく、アップダウンの連続に息を乱し、苦しんだ事しか覚えていない。二回目は昨年の1月13日、霜柱を踏んで登り進み、山頂での日光連山の展望を楽しんだ後、南に下って火戸尻山をピストンして来た。火戸尻山は樹林の山頂で展望は全くなかったが、帰路、北の正面に鳴虫山を眺めつつ登り帰った。この時、鳴虫山の鋭い山頂を見て、その素晴らしさを充分に確認出来た。
朝は一時雨が降っていたが、日光が近づくと雨も上がり、高平山の北に鳴虫山が時々顔を覗かせ、さらに女峰、赤薙連峰さえその山頂を僅かに隠すだけで見えて来た。予想以上の天候回復に、私は嬉しくなって来た。
登山口近くの空き地に駐車させて頂き、山支度を整え、8時半歩き出した。直ぐ右手に天王山の鳥居が現れる。私はそのまま登り続けた。昨夜の日光はかなりの雨が降ったらしく、登山道はえぐられ、雨が川となってこの道を流れた事を物語っていた。
最初に登り着いた展望の良いピークが神ノ主山である。昨日登った女峰山は肝心な山頂だけが雲の中に隠れたままだった。ゆるやかに登って行く、白樺金剛付近までは良く見えているだけに残念だった。
一息入れた後、ゆっくりと山頂を目指した。やはり昨日の女峰登山の後遺症なのか足の上がりが今一つ良くなかった。
南側は桧の植林、北側は広葉樹ばかりとなっていたが、登山道は桧の根が露出し、雨に濡れて滑り易く、注意しつつさらに登って行く。
ピークを二つ三つと登り進んだが、一向にペースが上がらず、鳴虫山頂到着は10時10分、神ノ主山より55分はコースタイムよりも遅くなっていた。
山頂には良く見かける小山のナナさんの山名板があった。ここは日光連山の大展望台であるが、今も相変わらず、ピークだけを隠したままだった。やはり展望は晴れた冬が最高であると実感した。
休憩とし、ビスケットを取り出した。火戸尻山への道は日光市によって閉鎖されていた。
10分後、含満ヶ淵を目指して山頂を下った。
道は予想以上に悪路になっていた。道はえぐられ、岩が露出し、さらに崩落が進んでいた。小さなピークが連続し、20分後、合峰へ到着した。ここよりは神橋や銭沢不動尊へ降りられる尾根が分岐していた。
さらに崩れ易い尾根を下り続ける。目の前にピークが見えた、どうやら独標らしい。20年振りに歩くコースだつたが、全然覚えがなく、自分の記憶力のなさが悲しい程だ。
25分後、到達した独標は全く展望はなく、そのまま下り続けると、10分後、突然視界が開け、日光市街と丹勢山を前景にして、男体山から大真名子山そして女峰、赤薙山へ続く日光連山を一望出来た。前回来た時、展望を楽しんだ地点だった。静かにカメラを構えた。
下から二人のハイカーが登って来て、挨拶を交わした。今日初めて会った人だった。
さらに下ると広い林道に降り立った。さらに発電所の脇を通り、日光宇都宮道を潜り、含満ヶ淵への階段を降りて行った。
ここまで来るともう観光客の世界だった。滑らかな岩を烈しく清流が流れ、しぶきを上げていた。大谷の流れに沿って、石のお地蔵様が並んでいた。その前を進み、さらに神橋前を歩き続けて、12時15分、登山口に戻った。
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