52. 山頂での鍋パーティ・・明神ヶ岳   1594.5m


期間:2002・11.16   天候:曇り    地図:湯西川.五十里湖
メンバー:室井・白石・池田・田辺・稲葉・樫尾・小森・鈴木明子・鈴木隆
コースタイム:宇都宮5:00−一ツ石7:45−1192m8:45−1383m9:35−
1574m10:35−-明神ヶ岳11:25-12:30-1574m13:10-
下の林道15:20-県道P16:50-宇都宮19:30


山行記録:今回、初めて室井さんが企画した山行へ参加する事が出来た。それは、この春に残雪の山行を続けて来て、五十里湖のマップにある山々より望見して、どの山よりもボリューム、険しさで圧倒された山、それが明神ヶ岳であった。いつの日か是非にとの登高意欲をそそられたが、残雪が少なくなり、藪漕ぎするには相当の覚悟が必要と思えて、実行するには来春の残雪期を待つしかないと考えていた。
ところが、白石さんから明神ヶ岳の登山計画を聞き、急遽、無理にお願いして参加させていただいた。
今回の参加者は、10名と賑やかなパーティである。さらに楽しみは頂上での鍋パーテイであった。各自が一品持ち寄ってのもので何のご馳走となるのやら。
5時宇都宮を出発し、登山口の湯西川、一ツ石で山支度を整え、その間に一台を下山予定のさらに西の林道へ回した。
ここもやがて、湯西川ダムの底に沈むのであろうか?寂しい思いを抱きつつ、杉の植林地を登り、さらに広葉樹の中へ。室井さんがナラタケ、クリタケを見つける。他の人達もこれに刺激され、急登の中でのきのこ採りとなった。鍋物の具がさらに加わり嬉しい限りである。
明神ヶ岳への最初のピーク、1192m迄が最も勾配がきつく、最も汗をかいた。
やがて、北側より植林時に使用したと思える、モノレールが合流して来ると、勾配も緩やかになり、笹も薄く、快適な稜線歩きとなった。さらに進むと、桧の植林帯。ここより、私がトップを歩いた。刈り払いは行われてあるものの、野イチゴのトゲと藪が前をふさぎ、足は上がらず、苦労の連続であった。時々獣道とも思える薄い踏み跡が見え、赤テープが木に巻かれているのを見れば、以前にここを辿った先客がいた事を感じた。さらには、クリタケの株を見つける、これもトップの役目であろうか。
1383mピークには9時35分到着し、休憩とした。ここからは、栗山沢の谷超えに明神ヶ岳本峰が姿を現し、私達を歓迎してくれる。谷を迂回しなければならず、未だ2時間以上はかかりそうだ。
1574mピークが前方に見えるが、これを登らねば本峰へは取り掛かれない。藪も薄くなったが、残雪は10cm程が北斜面に残り、これを利用しつつ登って行った。残雪には、一匹の鹿の足跡が続き、これを辿ると靴が沈まず楽な歩行となった。
1574mに到着し休憩とする。手前に小ピークを挟み、明神ヶ岳本峰がいよいよ近付き、楽に1時間で到達出来そうだった。
南へと向きを変え、道は一度下った後、狭い稜線を辿って行く。本峰を目に捕らえつつの登りは快調である。春は、ピンクの花に包まれていた明神ヶ岳、葉は既に落ちてしまったが、この辺りは、ヤシオツツジがやはり目についた。油断していると、足元には伐採後、残置されたワイヤーロープが張ったままで、これは要注意であった。ミズナラの大木はワイヤーでがんじがらめの有様で、何とも痛ましい限りであった。
最後の登りは、残雪も多くなったが、誰一人の足跡もなく、真っ白な雪の中を行くのは、実に気持ちの良いものであった。
11時25分、広い平坦な明神ヶ岳山頂に到着した。その中央に三角点標石が、雪よりポツンと顔を出して、西側の小木には、RKのサインのある山名板がぶら下がっていた。
憧れの頂きに立つ事が出来、感激しつつ、後続の仲間達と感謝の握手を交わした。そして記念のシャッターを押して頂いた。
早速、標石を中心にしての鍋物の準備である。私は、今回が初めてのメンバー入りなので、名刺代わりにと、野菜一袋と、牛肉一パックを持参していた。そして、コンロを取り出し、餅を焼き始める。当初メンバーは8名の予定だったから、8個しか持参していない。10名になったからといっても、まさかけんかはないでしょう。
大勢で鍋を囲んでの昼食は、笑い声が絶えず、実に美味しいものだ。いつも一人で食べている私だけに、なおさら美味しかった。メンバーの中に、昨年の6月24日に那須三本槍でご一緒だった、池田さんと田辺さんもいた。あの時は、美味しいオレンジをご馳走になった。しかし、その時に一緒に歩いた斎藤さんは、カラコルムのスパンティークの雪に、今も眠ったままとは、とても悲しい事だった。
一時間は瞬く間に過ぎていた。この時期の夕暮れは、特に早いので下山する。今度は、私がラストを歩いた。10人が往復すると、残雪の中には、立派な登山道が出来上がっていた。
ピークよりの下山は、特に方向確認が要注意である。そして自分がこの方向だ、との思い込みが強すぎた時も、同じである。1574mピークに戻って小休憩の後、ここよりほぼ真北へと下った後、北北東に向きを変えて、1232mピークを目指す予定だったが、方向確認が甘く、1時間のアルバイトとなってしまった。地図読みと、磁石に高度計の勉強会と思えばまっいいか。
1574mの肩で一息を入れた。ここにミズナラの大木があった。「あれが熊棚ですよ」と、教えられたが、8mも頭上に葉の付いた枝が横に渡してあり、幹にはいく筋もの爪跡が残されていた。これをみれば、熊との木登り競争はかないませんと、唯、脱帽するばかりであった。
途中より私がトップになって、急激に落ち込む尾根を下った。幸い目指す1169.1mピークとそこへ続く尾根は見えているのでコンパスを使わずに降りて行けたが、桧の樹林帯へ入るともう方向確認は絶対必要となっていた。後ろより白石さんや、池田さんの声が届き、向きを修正した。
1169.1mピーク直前の尾根を東に折れ、15時20分林道に降り立ち、後続の仲間を待った。
やがて、全員が林道に到着し休憩とした。もう難しい歩きはないと思うと、冗談も出て笑い声が山に響いた。後の楽しみは、湯西川での暖かい温泉入浴であった。

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