14.手近な日帰り縦走を楽しむ・本山   561.6m


期間:2001・12・23   天候:晴れ  地図:下野大沢・大谷
メンバーCL鈴木 隆 SL佐藤忠信 伊藤道雄 鈴木カツ子

コースタイム:中篠井登山口8:20−榛名山9:00-9:15−男山9:30-9:40−本山10:00-10:25−飯盛山11:25-11:35−青嵐峠12:00−高館山12:30-13:15−黒戸山13:45−兜山14:15-14:25―鬼山14:50-15:00−中徳次郎15:25


山行記録:車で宇都宮から日光へ向かう時、徳次郎町を過ぎると、前方から右手にかけて
山並みが連続する。これが篠井富屋連峰である。私の生家は今市市板橋であったから、幼
い時から篠井の山々を東に見て育った。特に晩秋の夕暮れ時には、雁が一列になり、かぎ
になりして飛んで行くのを眺めていた。その背景には松の木が峰々に連なる篠井連峰であっ
た。現在雁は何処にも飛んで来なくなってしまった。既に40年も昔の事であったが、今
もつい昨日の様に鮮やかに思い出す事が出来た。
年の暮、今年最後の山歩きをとの、妻の要望に応え、気軽に一日を楽しめる篠井富屋連峰
の縦走を計画した。参加を希望した中学時代の友人2人を加えた4人となった。1台を中徳
次郎町の智賀都神社近くにデポし、全員で中篠井登山口へ向かった。
日影の田は、既に凍っている。地主の了解を得てここへ駐車し、身支度して早速出発した。
樹林の中へ入って行く。整備された道であつたが、この時期ここを訪れる人はいなかった。
でも4人であったから、あれこれとおしゃべりは続き、楽しいハイキングとなっていた。
杉林の中、良く踏み込まれた登山道を辿って行った。すぐに林道に合流し、少しこれを歩
いた後、再び杉林の中へ入って行く。涸れ沢を右に見て、さらに登り進むと、やがて稜線
に出た。今日で3回目の道であったが、最初にここを訪れたのは1992年5月17日だ
った。この年の3月にスキーで右足靭帯を痛め、暫くは歩くのもままならなかった。その
リハビリも兼ねて初めて登った山がこの篠井連峰だった。その時は一人で登って、本山迄
登っておにぎりを食べた後、山頂を下ったが、足がズキズキと痛くて、恐る恐る下ったが
ブレーキが利かない右足だった。その後、スキーで怪我をして再び山登りが出来なくなる
不安が頭に残り、結局、スキーとは縁遠くなってしまった。
稜線を右折し、ザックをデポしてカメラだけ持って、榛名山へ登った。ここには現在も行
われているらしく、梵天が木に括られていた。ここもマツクイムシに侵されつつあった。
榛名山神社に拝礼をし、私の故郷を眺めた。そして生家近くにある城山が確認できた。
次の男山へ向かった。ここへはわずか15分だった。ここからの高原山の眺望は素晴らし
かった。そして篠井富屋連峰の最高峰、本山に向かった。
本山(561.6m)の三角点はやや北にそれたピークの中央にあった。既に全ての葉を落と
ししまっただけに、眺望はすこぶる良く、北に高原山、日光の男体山、女峰山を初め、白
根山までが、白く輝き、朝日に映えて実に美しかった。
私達の他に誰もいない山頂、互いにシャッターを押し、さらに三角点を中心にしてセルフ
タイマーで記念の一枚を撮った。
その後、南に少し戻って、西の飯盛山へ向かった。ここからは急激な下りが待っていた。
目の前にはその名前の如く、おむすび形の姿をした飯盛山が見えた。木に掴まりながら一
気に下ると、送電線の鉄塔が立っていた。この下を過ぎ、今度は一気に登って飯盛山の頂
に立った。石の祠が奉られ、その下には朽ちた山名板が地面に横たわっていた。展望は期
待した程ではなく、感激は今一つだった。昼食は高館山頂として、小憩の後頂を降りた。
ここも一気の下りで、木に掴まりつつゆっくりと下って、10分で林道に出た。わずかに林
道を進むと、右に道標が立っていて、「大畑林道登山口〜青嵐峠〜高館山」と知らされた。
これに従って行くと、直ぐに青嵐峠となった。ずいぶんに大げさ過ぎる峠名であるが、今
市市小林との生活道で、ここにもいろんな歴史が秘められているのだろう。
やがて高館山への登りとなって、これを登り進んで行った。
上の方より人声が聞こえ、登り進むと、60代と思える2人の男性がいた。何と彼らは堂々
と登山道に面したヤシオツツジの盗掘をしていた。この花を楽しみに登って来る人もいる
だろうから、何ともイヤーな気分になってしまった。
高館山頂(467.7m)、ここが上河内町の最高点だった。広く平らな山頂には歴史を感じ
る古い石像が立っていた。早速コンロを出して鍋にうどんを入れ、家で刻んで来た野菜に
キノコを入れた。グツグツと煮えた鍋を囲んで、4人での食事は実に美味しかった。
幼馴染のアイツはどうしたとか、コイツはどうのと、話題は尽きなかった。
展望は南の宇都宮に続く平野部、北は高原山に日光連山と素晴らしいものだった。
腹は満腹、適度な食休みも済み、腰を上げて、黒戸山へと頂を下った。元の道を少し戻り
そして南を目指した。桧の植林地の中の尾根をおしゃべりしつつ歩き続けた。
やがて着いた黒戸山は単なる尾根のコブみたいもので、写真を一枚撮っただけで次の兜山
へ向かった。桧の植林がされなかった頃は、ここも展望は良かっただろうが、今は何も眺
望はない。
やがて林道に降り、少しこれを下ると、北側より林道が合流して来た。この林道を北に登
ると、西に兜山への登山道が分岐し、これを踏み進むと、大きな岩の間を抜け兜山に到着
した。ここからの展望は良く、今まで辿って来た峰々を返り見る事が出来て、感激である。
さらに眼下には日光へ続く国道119号線と日光宇都宮道路が平行し、対面するのは半蔵
山であった。ここは里山独特の、ほっとするような初冬の風景が展開していた。
再び元の林道を下って、最後の鬼山へ登った。ここには登山道はなかったが、少年時代を
過した、故郷の山歩きを思い出しつつ、童心に返って、各々が好きな様に、適当に山頂を
目指して登って行った。一汗かいた頃、登り切った鬼山、ここは樹林に囲まれた山頂で、
展望は得られなかったが満足な一時だった。
麓に降り、さらに田川を渡って、あぜ道を辿った。今まで歩いて来た榛名山、男山、本山
飯盛山、高館山、黒戸山、兜山、そして鬼山を指呼しつつ歩くのは楽しいものだった。
そしてこの日の最後は、ロマンチック村の温泉に浸かって、楽しい一日を終了した。

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