100.白根山の展望、紅葉の前白根山へ 前白根山2373m
期間:2003.9.28  天候:晴れ 単独行 地図:男体山 五色山2379m
コースタイム:金精峠トンネル入り口P8:55−金精神社9:20−金精山9:50−
国境平10:05−五色山10:25-10:35−前白根山10:55-1100―
五色山11:25-11:40−国境平11:50−金精山12:00-12:15−
金精峠トンネル入り口P12:45
山行記録:日光白根山の展望台となっている前白根山と五色山。この山だけへ登る事は余りない。地味な山であるが、限られた時間しかない時の、ちょっとした登山気分を味わうには最適な山の一つであろう。
しかし、湯元温泉から見上げると、外山から前白根山、五色山、金精山そして温泉ヶ岳への山並はまるで屏風の様に高く、湯ノ湖を包み込む様に連なっている。
ここのところ仕事で仙台方面へ出かけ、安達太良山、吾妻山、そして蔵王岳を見つめて、山肌が赤く染まっているのを確認出来て、仕事を忘れて見惚れてしまった。多分日光も同様に紅葉が始まっているだろうと思えた。
今回は所要で3時までに宇都宮へ戻らねばならない。白根山へは登山時間が足りないので、ならばこの展望を楽しめるだけでもいいと、前白根山を金精峠から目指した。
金精峠トンネル入り口手前の駐車場はほぼ満車状態となっていた。やむなくユーターンさせて、路肩に駐車し、8時55分歩き出した。
この金精峠登山口から金精山へかけての登山道は、宇都宮山の会が中心になって、昨年整備していたので、これの点検をしつつ登り進んだ。
やはり一冬を過ぎると、雪崩や土砂崩れにより、所々が傷んでいたが、峠までは補修する程ではなかった。
25分後、峠に到着し、ここに奉られた金精神社を拝礼した。その昔、村境には疫病の予防、さらには子授かりの神として、男性のシンボルを奉っていた。この金精神社も同様に地元の人達は子授かりの願いをかけて拝礼していた。
眼下には湯ノ湖から戦場ヶ原、その向こうには男体山と太郎山が秋色を色濃くして美しい。目の前に笈吊岩が聳える金精山は、既に紅葉も始まっていた。
緩やかに登って行くと、やがてトラバースして南へ廻り込んだ後、一気の登りとなって来る。ここは雪崩の多い地点だった。
私達が取り付けた階段や梯子も傷つけられて、整備の必要を感じた。背後には尾瀬燧ケ岳や燕巣山に四郎岳を見渡せた。峠より30分で金精山頂に到達した。
ここからの展望、特に北側は湯ノ湖に戦場ヶ原はもとより男体山に大真名子山、小真名子山。そして、太郎山に三岳から温泉ヶ岳へと見渡す事が出来た。
これを写真に撮ってさらに国境平を目指した。一旦下った後、登り返した。
15分後、湯元温泉への下山口が分岐する国境平に到着した。休まず快調に登り続けた。
今年の紅葉は今一つ鮮やかさを欠いていた。やはり冷夏となった長雨の夏だったからだろうか?10時25分、五色山頂に到着した。
目の前には秋色の日光白根山が聳え、5人が弁当を広げていた。
前回来たのは錫ヶ岳へのピストン登山の帰り道だった。記念写真を撮っていた三脚とカメラを折からの突風で倒され、カメラを壊してしまった。従って山頂での写真は、満足なのは残っていなかった。ここでセルフタイマーにて記念写真を撮った後、前白根山へ向かった。この稜線は展望に恵まれ右は眼下に五色沼、そして白根山から錫ヶ岳。白根隠山の先には中禅寺湖が輝いていた。前方に前白根山を見つめ、左は男体山からの眺めが続いていた。30分後、前白根山頂に到着した。
ここには3人の先客が風を避けて食事中だった。私は13時には下山したいと思ったので、ここは記念写真を撮っただけで、五色山へ戻ったが、カメラのキャップがない。どうやら金精山頂で落として来たらしい。
あっという間に、ガスが白根山頂を隠してしまった。戻った五色山頂には登山者も増え、それぞれが食事中だった。私も白根山に向かって腰を降ろし、おにぎりを食べた。
11時40分下山する。ここから金精トンネル迄、1時間ちょっとで下山出来るだろうから、先ずは予定通りの山行だった。
国境平を過ぎ、金精山頂へ12時到着。ここがカメラのキャップを外した所だった。10人程が食事や休憩中だったが、私は地面を見つめ、人の迷惑も考えずにキャップを捜した。結局は見つけられなかった。しかしここに、私を見ている視線を感じた。「鈴木さん」と言われ、その人を見れば何と山の会の森さんだった。彼はカラコルムのスパンティークで遭難した仲間の遺体を回収して、帰国したばかりのはずだった。元気な笑顔の再会が金精山頂とは驚いた。そしてブドウのご馳走を頂いた。さらに驚いた事に、その隣で休んでいた愛犬を連れた女性二人がいた。「あら、鈴木さん」の声。何と昨年の北アルプス、仙人池からの剣岳縦走でご一緒した大栗さんだった。
こんな狭い金精山頂で二人の友人に会えるなんて、偶然とはいえ素晴らしい事じゃないか。
話は尽きないが、15分後、「お先に」と言って山頂を下った。
天候も紅葉も今一つだったが、展望と友にも恵まれて満足感の中、12時45分に金精峠トンネル入り口に無事下りた。
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