43.秋の黒滝山・・単独行    1754.1m


期間:2002・10・5     天候:曇り
山名:黒滝山・・百村よりのピストン
山行目的:栃木の山巡り・ピークハント  単独行  地図:日留賀岳.板室
コースタイム:宇都宮6:30-百村登山口8:00-百村山9:10-9:25-サル山10:00-山藤山
       10:55-河下山11:25-黒滝山11:40-12:00-百村山13:20-13:25-登山口14:40-15:15−宇都宮18:00


山行記録:黒滝山は那須岳と奥塩原の日留賀岳との中央に位置する山塊にあり、この北奥が大佐飛山へと連なっている。
6時半、ハンドルを握り西那須野インターを目指した。今回は黒磯の黒滝山を百村集落より登ろうと計画していた。ここは、以前登った事のある、カタクリで有名な百村山と同じ登山口であり、黒滝山はさらにその奥に位置していた。
その昔、この黒滝山への登山道はあったとの事だが、近年はもの凄い藪漕ぎを強いられ、残雪期の登山が一般的となっていた。その黒滝山に、一昨年登山道が整備されたとの話を耳にして、待望の登山実施となり嬉しい限りである。
8時、杉林の中をジグザクと高度を上げて行った。以前辿った道だけに、何の不安も無く快調なペースである。
やがて、林道に飛び出すと、曇天のもと大巻川の西に鴫内山が霞んでいた。東には、木ノ俣川が流れ、その向こうに、今年の五月に延々と歩いた、塩那スカイラインがうねり、その先に茶臼岳を主峰にした白笹山、黒尾谷山等の那須連山を望見する事が出来た。
今日の天気予報では、夕方山沿いでは所により雷雨とのこと。これを納得させる様な空模様となっていた。
さらに、休まず歩き続け、9時10分百村山頂に到着し、ザックを下ろした。那須野ヶ原を見下ろしつつパンを一個食べた。
広い広葉樹の頂の中央には三角点が置かれ、木に黒滝山へ3時間40分の案内板が打ち付けられていた。
いよいよ、未知の黒滝山への登山となった。しかしきれいに笹が刈り払われて、快適な登山道が、奥へと伸びていて、一安心である。
紅葉の美しいこの時期なのに、私の他に誰一人山へ入っている気配も無く、静か過ぎる山中であった。
サル山(双子山)の手前に、T字分岐があり、これを左折する。この尾根は下山時の要注意ポイントである。
少し先が那須展望台で、既に山波は、霞みに包まれてしまっていた。ここまで、百村山より1時間だった。
一登りすると、平坦な尾根が続くが、2メートル以上の藪は刈り払われていなければ大いに悩まされる所であった。地元山岳会に感謝しつつ、すいすいと歩き続けた。
さらに進むと、傾斜は角度を強め、ロープも張られている。藪は相変わらず背丈以上もあって、道の両側を閉ざしていた。梢越しに、丸い頂きが見えてくる。
きつい急登に耐えてこれを登りきると、山藤山に到着し、先ずは一息いれた。
前方に見えるのは河下山、前黒山頂を隠している様だった。
河下山には1時間程で到着する。周囲の広葉樹は色付き、秋真盛りのはずなのに何とも寂しい。木々の葉は既に残り少なくなっていた。暑すぎた今夏、少ない降雨量と、2回も襲って来た台風が、その原因かもしれない。
一旦下って登り返して30分、三角点のある黒滝山頂に到着した。時に11時45分だった。
頂は樹林の中で、南方のみが視界が開けていたが、既にガスがこれを閉ざしていた。北に大佐飛山へと緩やかな尾根が続き、笹と石楠花が密生していた。その中の木に赤布や、赤ペンキの案内が残っていた。しかし、私の体力と技術では、無雪期での登山はとても自信は持てなかった。
静寂の中、パンを口に入れ、さらにポカリスエットを飲むと、難しいと思っていたこの黒滝山に立てた感激が、ジーンと心の中に広がって来た。
下山は曇天の空からの雨を予想しての早足となっていた。一気に歩き続け、百村山に到着して一安心とばかり、のんびり腰を下ろした。
さらに下って行くと、一人の男が大きなザックを担いで登って来た。今回の山行で初めて会った人だった。彼は大佐飛山を目指して、今日は黒滝山頂でテントを張る予定との事、今から4時間の行程は、ちょっと厳しいかなと思えたが、「頑張って下さい」と声を掛けて別れた。
杉林の中で、倒木に生えた白いスギヒラタケを見つけ、ビニール袋一つを収穫した。我が家への嬉しいおみやげが出来た。

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