15〜17.年の暮に禅頂行者道を歩く・地蔵岳〜夕日岳〜薬師岳


         地蔵岳1483m夕日岳 1526.1m 薬師岳 1420.1m
期間:2001.12.29  天候:晴れ 単独行  地図:日光南部・古峰原
コースタイム:古峰ヶ原神社裏林道ゲート9:00―ハガタテ平9:50-10:00−地蔵岳10:30-10:45―三ツ目11:05−夕日岳11:20-11:40−三ツ目11:55−薬師岳13:05-13:25−三ツ目14:25−地蔵岳14:35-14:40−ハガタテ平15:00―林道ゲート15:40


山行記録:今年の暮もいよいよおし迫って来た29日、かつて勝道上人が男体山を目指して
歩いた道で、その後、修験者達がこれを辿ったと言われる禅頂行者道。その一部でもある
ハガタテ平から地蔵岳、夕日岳そして薬師岳まで歩こうと思って自宅を出た。
スタート地点である古峰ヶ原のハガタテへ行く林道ゲート前に駐車して9時歩き出した。
沢の奥には目指す地蔵岳が高く聳えていた。冷んやりした山の空気が私を包み込み、気も
引締められる。
林道の終点までこれを辿り、そして登山道へ入って行った。落ち葉を下から霜柱が持ち上
げ、ザクザクと音を立ててこれを登り進んだ。沢音も徐々に静かになり小さな清流に変化
してきた。これを横切り、さらに進むと、小さな流れは凍りつき、これが登山道となって
いた。滑らない様に気を付けながら進み、50分後、禅頂行者道でもある稜線の鞍部、ハ
ガタテ平に到着した。立ち木にはお札が何枚も取り付けられていた。これも修験者の流れ
を汲む現在の祈祷の跡であろうか。
一休みの後、右折して地蔵岳の登りになった。かつては一直線に尾根を登っていたのが、
現在はカラマツ林の中を大きく東に廻り込み、さらに登って行く。
10時30分、小さな石のお地蔵様が奉られた地蔵岳山頂へ到着した。僅かに雪が頂を覆
っていた。太陽の光が暖かく、心地良い休憩だった。
今日は穏やかな登山日和で、稜線の雪を蹴散らす様にして、快調に北へ歩き進んだ。
夕日岳は今回の山行では最も標高のある山だったが、稜線を少し離れたピークで、三ツ目
より分岐した尾根を辿って行く。細い尾根には雪が15cm程積っていた。キックステッ
プを心掛けつつ進み、11時20分夕日岳山頂に到着した。
男体山から大真名子山、小真名子山、女峰山、赤薙山と続く白い峰々を飽きる事なく眺め
た。大谷川とこれに沿って日光の街、古河電工の工場が手に取る様な近さで見下ろせた。
こんな年の瀬に夕日岳へ登る人はいない、素晴らしい冬景色を一人占めする。これはやは
り贅沢な喜びであろう。
20分後、山頂を下った。三ツ目へ戻り、さらに北へ伸びる稜線を辿って薬師岳を目指し
た。道は一旦下るが、北斜面の雪は凍って滑り易く、気を付けて進んだが、時々尻餅を着
いてしまった。
夕日岳を大きく廻り込んで、薬師岳との鞍部近くに伸びて来る沢、これが大芦川の源流で
あった。
薬師岳は低いピークであったが、まだまだ遠い。この薬師岳だけに登るなら、足尾峠から
登って来た方が近いだろう。いつかマイカー登山でなく、バスや電車を使って縦走をした
いと思った。マイカー登山では、結局スタート地点へ戻らねばならないのは致し方ない。
男体山がさらに大きく聳え、足尾側には皇海山も見えて来た。
この稜線はやはり修験者達が修行しながら辿った、その面影が至る所に見受けられ、そん
な中、年の暮れに残雪を踏んで歩き進むのは嬉しいものであった。
単調な道を歩き続けて行くと、稜線には不動尊が奉られて、さらに進むと、左に足尾峠へ
の道が分岐し、その少し先が薬師岳山頂だった。
既に13時を僅かに過ぎていた。大谷川を見下ろし、半月山を見上げて、さらに日光連山
を仰いだ。今日は風もほとんどなく、幸せな山頂だった。
今まで何度か地蔵岳や夕日岳までは登っていたが、この薬師岳へはつい足を伸ばす事なく、
今日初めてこの頂へ立った。
20分は瞬く間に過ぎていた。今日は、家の年末の片付けもせずに山へ来てしまったので、
帰ってから整理、清掃もしなければならない。
薬師岳までの、予定の縦走を踏破出来た満足感と安堵感とをみやげにして、元来た道を地
蔵岳へと山頂を下った。
休む事なく、歩き続けて古峰ヶ原ゲート前に到着したのは15時40分、充実した山行を
無事終了した。

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