28.残雪わずか、日向倉山   1341.9m


期間:2002.4.7   天候:晴れ  単独行  地図:荒海山.五十里湖
コースタイム:登山口9:00−1180mピーク10:45−日向倉山11:15−11:30−
       登山口12:30


山行記録:昨日は上三依、横川近くの向山と田代山を登り、この地区の藪山登山は早くしないと、益々残雪が消えてしまい、登山に苦労してしまうと強く感じた。そして今日の日向倉山への登山となった。
男鹿川の支流、芹沢沿いの道へ、中三依小学校前より車を乗り入れた。ここ中三依には、三月に滝向山と、白倉山に登っていたので、スムースに車を走らせる。上坪集落を抜けると、民家はなくなり、送電線の下をくぐった少し先、三依小中校植林地の看板を見て、近くの路肩の広い場所に駐車し、直ぐ山支度を整えた。
桧の植林は、昨年したばかりの様な幼い小木で、雪に傾いた姿に、初めての冬に耐えた強さが現れていた。尾根に到達すると、ここは芽吹き前のブナやクヌギ、ミズナラ等の雑木林で、その枝先には何の変化も現れていなかった。
西に緩やかにカーブしている尾根を、ゆっくりと登って行った。背後には残雪も豊富な持丸山が、雄々しい姿を見せていた。尾根には獣か、猟師かの踏み跡が、薄く上へ上へと伸びていた。葉のない雑木林の中、藪らしいものはなく、ただ小枝が少々うるさいくらいであった。さらに登り進むと、尾根は狭くなり、やがて岩場に変化。ここより一旦下った所には、美しいイワウチワが沢山咲いていた。左より直登する尾根が合流してさらに広くなった尾根、踏み跡はさらに明瞭になり、やはりここの登山コースは、直登コースが一般的のようで、さらに順調に登り続けた。そして1180mピークに到着して休憩する。
尾根には残雪が現れ、時々東側は切れ落ちていた。今は雪庇がなくなり、墜落の恐れはなくなっていたが、注意しつつさらに登り進んだ。送電線が北へと伸び、入山沢の谷の向こうに、雪を抱いた芝草山が望見出来た。谷より一気にピークへ続くその姿は急峻で厳しい山容で、実に美しく眺められた。私は未だこの頂にたってなく、是非来週にでも登ろうと思っていた。
快適な尾根歩き、太陽の光は暖かい。葉を落とした雑木の中、熊除けの鈴の音を友として登って、緩やかなピークを二つ越えて行く。                   
前方にアスナロの茂るピークが見えた。ここが山頂であろう。             
一気の登りに耐えると、右手より尾根がせり上がって、足元にはイワウチワが咲き、石楠花の生い茂るピークに到着した。しかし山頂は、やや左に折れたその先の小高い丘がそうだった。南北に細長いピークの中央に三角点標石が埋められて、木にはKUMOさんの山名板がくくられていた。時に11時15分、登り出して2時間15分が経過していた。
ザックを降ろし、カップヌードルにお湯を満たして、おにぎりとの昼食とした。
南方が開け持丸山が間近く、その奥に日光連山が白く輝いていた。稜線を北へ辿って行くと荒海山は、意外な近さで見えた。雪を豊富に纏ったその姿は実に美しく、厳しい迫力があった。カメラを持って、西の踏み跡を辿り、昨年登った安ヶ森山、台倉高山と続けてシャッターを押した。ここには登山者は結構多く登って来るらしく、山頂は良く踏まれ、そして休憩するには申し分のないピークであった。
私には未知の山である、この日向倉山に登れて、満足感と爽快感が胸一杯に広がってきた。登山口では想像も出来なかった、山頂での素晴らしい一時を過ごす事が出来た。
帰路は浮き浮きとした気分で、一気に下り続けて、登る時の東の尾根を見送り、一直線に桧の尾根を下った。少し藪はあったがさしたることもなく、12時30分林道に降りた。
帰路、中三依の男鹿の湯に浸かっていると、目の前にはピラミダルな芝草山を眺めることが出来る。来週には登ろうと思っているだけに、飽きることなくこれを眺め続けた。

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