7〜8.紅葉の中の月山、夫婦山そして南平山


 月山1287.2m 夫婦山1341.6m
期間:2001・10・20 天候:快晴  単独行  地図:川治 南平山1007.4m
コースタイム:(月山) 駐車場7:40―登山口8:00−月山頂8:30-8:40−林道9:00−
駐車場9:20
(夫婦山)登山口9:35−夫婦山頂10:35-10:50−登山口11:30
(南平山)駐車場12:20−コル12:40−南平山頂13:35-14:00−コル14:35―
駐車場15:05


山行記録:今市市から北方を望見した時、日光連山の高い山並みが東に向かって高度を下げ、さらに大笹山の東に高度をやや低めながらも、一塊りとなって聳えている山が夫婦山(左)と月山(右)である。特に月山は、早春には山肌をピンクに染めるヤシオツツジの名所でもあり、ここを訪れるハイカーも多いが、夫婦山は踏み跡程度の登山道しかない山で少し寂しいがこちらの方が標高は高い。
先週は土曜日が日光の六郎地山と三ノ宿山の単独行、日曜日は妻と那須、大峠から流石山から大倉山、そして三倉山へ出かけて秋陽に映える紅葉を満喫できた。
今週は今日の鬼怒川、湯西川方面にある月山、夫婦山、南平山を登り、明日は台倉高山への再挑戦を予定していた。
宇都宮を6時過ぎ出発し、大笹牧場を抜けて、栗山村の日陰より林道を走って、牧場へ入って行った。この道は33年振りである。仕事で日陰牧場の牛舎を建てに来た事があったが、その時以来であった。
夫婦山の麓を走ると、路肩に夫婦岩があり、石祠が奉られていた。さらにトンネルを抜けると。大きな駐車場があり、ここへ駐車した。ダムの改修工事をしているらしく、工事関係車両だけがゲートの中へと走って行った。
一人アスファルトの道を歩き出した。正面には、岩肌を見せ、紅葉に彩られた月山が聳え私を圧倒して来た。
道はダムへと左折して林道と別れた。さらに進むと、水のないダムが現れてきた。改修工事を盛んに進めていた。ダムサイトより東の砂利道を登ると道は直ぐに終わった。
ここより草むらに細く踏み跡がつけられ、尾根へ伸びている。小さな月山登山口の標識があり、私はこれを辿って行った。
鬼怒川から直接この月山に登るのなら厳しい登山になるだろうが、ここからでは標高差は余りないので、苦労せずに登れそうだった。
尾根に取り付く北の斜面をつづら折りに登って行く。岩の多い斜面にはヤシオツツジやサラサドウダンツツジ、リョーブ等の広葉樹が多く、葉は赤や黄色へと色を染め、秋真っ盛りの美しい景色となっていた。
尾根に取り付くと、そこからさして時間もかからずに山頂の肩へ辿り着いた。テープが木に巻かれ、道はしっかりしたものとなっていた。
右から林道からの登山道が合流して来た。帰路はこれを下ろうと思った。
登山口からわずか30分で祠が奉られている月山の頂に到着した。北のダムの先には、北に大日向山と北西に夫婦山が大きく望め、その左には大笹山。夫婦山と大笹山はいずれも二つのピークを持っていた。さらに西には赤薙山から女峰山へと日光連山が続いていた。飽きる事のない素晴らしい風景だった。東には鶏頂山と釈迦ヶ岳の高原山、さらに南に鶏岳。それらの山裾を鬼怒川が巡り、そして関東平野へと広がって行く。
この山頂はドウダンツツジ等の紅葉が取り巻き、私はしばし満足の境地に浸っていた。
下山は分岐を左にとって、一気に下って、わずか20分で林道に降りた。こんな素晴らしい紅葉の月山だったが、誰一人にも会う事がなかった。
次は隣接する夫婦山登山である。早速車を移動させた。
日陰牧場の東端に、夫婦登山口の小さな標識が立っていた。その先には細い踏み跡が着いていた。私は路肩に駐車して早速歩き始めた。
小笹の中に踏み跡は続いていた。赤布やテープが散在し、ここを訪れる登山者も結構いるらしい。しかし月山と比べればやはり寂しい程、登山道とは言えない踏み跡だった。
とにかく上へ登ればいいと、安易に考えて登って行ったのが、その後に苦労する事になってしまった。
沢に沿って登って行く踏み跡と、白いビニールテープを辿って登っていったが、いつのまにかそれもなくなっていた。どうやら道は牧場側へそれているようだ。
私は迷っても、そう気になる地点とも思えなかったので、かまわず登り易い所を拾いながら、藪の中を上へ上へと登り進んだ。
やがて牧場側よりトラバース気味に登って来た踏み跡に辿り着いた。これが登山道だった。
藪を潜り抜けて笹原の中へ出た。その先が二つのピークの鞍部だった。
私は先ず東のピークに登ってみた。ここには三角点標石は無かったので、次に西のピークへと尾根を辿ってこれを登り切る。
大きな「黒羽山の会」のネーム入り、夫婦山の山名板が木に取り付けられていた。そして中央には三角点標石が埋められていた。登り始めて丁度1時間だった。
展望は申し分のない素晴らしいもので、東に先ほど登って来た月山が間近く、その先に高原山。南は眼下に大笹牧場が広がり、西に赤薙山から始まる日光連山が素晴らしい。
ここも満足の山頂だった。
時間も早いので次に、川治温泉の西に聳える南平山を登ろうと、15分後に山頂を下った。
埋蔵金伝説の山、南平山は気になっていた山の一つだったが、登山口が川治温泉共同浴場の駐車場と、大変便利な為、いつでも行けると思い、ついつい後回しとなっていた。
明日は台倉高山へ登る予定だったので、今夜は桧枝岐温泉での車中泊を考えていた。当然夜は長いし、宇都宮へ帰らないので、丁度手ごろな場所とコースタイムだった。
今日、三番目の山として南平山へ向かった。
黄金橋で鬼怒川の右岸に渡り、少し川沿いに下ると、紅葉の中へ右折して、道は登り始めた。第一目標は送電線鉄塔である。
川俣温泉へ続く道が、ここをトンネルで潜って登って行く。時計は既に12時を廻っていたから、私以外にここを登る人はいない。
20分で鉄塔の下に出た。竜王峡を見下ろして一息を入れた。
道は紅葉の中を直進した後、つづら折りになって高度を稼いで行く。上から3人のハイカーが降りて来て、挨拶を交わした。さらに登り続けた。
道が尾根に辿り着いたら山頂は近い。登り始めて1時間弱で広葉樹が周囲の展望を閉ざす南平山頂に到着した。ここには一人の男性が休んでいた。挨拶を交わすと、彼は山頂を降りていった。
一人となった山頂は、中央に三角点標石とその隣に古い山名板が置かれているだけで、実に静かだった。
15分後下山した。明日の台倉高山登山に備えて、ゆっくりと温泉に入ろうと思った。

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