31.早春の大笹山1296.6mと馬老山1337.3m 


期間:2002・4・29    天候:快晴   地図:川俣湖
コースタイム:大笹山・・駐車地7:45-大笹山頂8:25-8:35−駐車地9:05
       馬老山・・駐車地9:40−馬老山頂11:15-11:45−駐地12:40


山行記録:今年もゴールデンウィークに入ったが、大した山行計画は立てず、県内の山巡り。メインは大佐飛山だった。一昨日は持丸山に登り、昨日は妻と足尾の植樹会に参加、その後に備前楯山へ登った。カラマツの若葉が萌え出して、その色合いが実に目に優しい風景であった。
今日は一人栗山村の山へ登ろうと、宇都宮を6時過ぎに出発し、大笹山を目指した。霧降の有料道路を抜け、大笹牧場の北に聳える大笹山の登山口、鳥獣供養の石碑近くの路肩に駐車し、膝まではない笹の中へと入って行った。ここを辿って大笹山へ登った先人が残した、わずかな踏み跡と、時々現れる赤布を確認しつつ、ピークを目指し登り進んだ。
途中、山登りには場違いな感じがする60代と思える男性に出会った。山登りをするではなく、カメラで写真を撮る人でもない。まして山菜を取る人でもない。どうやら美しく咲いているヤシオツツジの盗掘の人と思えてならない、何ともイヤーな感じがする人だった。
大笹山は二つのピークを持った山で今市から望むと、東から月山、夫婦山そして大笹山が並んで見える。
山頂には40分で到着した。山名板はなかったが、三等三角点標石が中央に埋められていた。ヤシオツツジが紅く、美しく咲いていた。眼下には大笹牧場が広がり、ヴォリュームを上げて案内人の声が届いて来る。北へ少し下ると、ここは満足する展望が待っていた。西に赤薙山に女峰山、東は鶏頂山を手前にした高原山。北には今日登ろうと考えている馬老山が鬼怒川の谷向こうに聳えていた。もっとのんびりしたいが、馬老山の急斜面を見れば、早く取り付いた方が帰りが一安心であろうと思え、10分程で山頂を下った。
馬老山は霧降から大笹牧場を抜けて、栗山村野門へ下る時に、真正面の突き当たりの山で南面の麓に水力発電所があり、大きな送水管二本が下っている。
野門より土呂部へ抜ける県道がつづら折りになって高度を上げていた。ここの大きくカーブしたその内側へ駐車し、杉林の中を進んで、馬老山への尾根を目指した。
馬老山の登山コースの取り方は、大笹山より良く観察できた。快晴の今日だからコース選定には申し分がない。私の考えたコースの取り方は、馬老山の中腹までは西側の杉林と雑木林の境となっている尾根を辿って登り進み、途中よりやや東側にそれて、明瞭になる尾根を一気に山頂まで登り詰めるのがベストと思えた。
小高いピークを越え、少し下がった鞍部には土呂部より、踏み跡が登って来ていた。こちらを辿ったのが、労せずに来られたような気がした。一直線に杉林と雑木林の境を登って行くと、やがて杉林は終わった。
ここより、東に見える尾根を辿って山頂を目指そうと思っていたので、山腹をトラバースして行く。崩れた岩がゴロゴロしていて、落石を起こし易い。自分自身も滑落の恐れもあるので、ここは慎重に木に掴まりつつ、ゆっくりと移動して尾根に到達した。
辿り着いた尾根はやはり足場が安定している。確実に高度を上げて行った。
ブナやクヌギの広葉樹は未だ若芽が萌え出す寸前であった。急登の連続ではあったが、その分高度を一気に稼ぐことが出来た。樹林越しには先程登ってきた大笹山の山頂がほとんど同じ高さになって来た。
登り始めて1時間半、東よりの稜線が近かずいて、11時15分馬老山頂に到着出来た。
中央には三等三角点標石が顔を出して、その北の木には小さな山名板がくくられていた。ここの山頂も既に、残雪は消えていた
南面しているこの山頂は、陽だまりの中であったから、腰を降ろして食べるおにぎりと暖かいカップヌードルの味は格別に美味しかった。まして目の前に眺めている山は、つい先程登っていた大笹山であったから、感激も倍加するような気がした。
こんな素晴らしい山頂を独り占めいているのは、何か申し訳ないような気がしてしまう。
30分はあっという間に過ぎていた。誰も登ってくる人もいない今日の馬老山、名残惜しい思いがしたが、降りることにした。
下山の楽しみは山菜取りであった。この馬老山にはタラの芽よりも美味しいといわれる、タカノツメの小木が沢山あった。私は山を下りながら、ビニール袋二つもこれを取ることが出来た。天婦羅も美味しいし、ゴマ和えも美味しい。これが私の我が家へのお土産であった。
私は1時間後、無事車へ戻った。今日も下山後の楽しみは温泉入浴であった。

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